フィッシングレポート

8月17日晴れのち曇り
 
先週から数えれば4回の出船で7回のヒット、その内3回のラインブレイクで3個の数少ないルアーをカジキに取られ、
2回ファイトし船尾でジャンプされ目の前でライン

 
ブレイク・・・・。「くっそ〜・・・。」しばし船上で空を見上げ放心状態。
こんなに熱くなった夏は初めて。盆休みも空け、仕事にも切り替えができず悶々
としていたところ17日に知り合いの船が出船し100kのカジキをランディング、
しかもシングルハンドで。(・・・・・・・)
そこで俄然、むらむらと闘志が沸いて「よ〜し。俺だって釣ってやる、一人で!」
と言いつつクルーに電話しまくるも全員が冷たい返事、当たり前だよねお盆明けだもん。
そこでいよいよしょうがない、シングルハンドで釣る段取りを頭の中で整理し考えめぐる。
「よし、ヒットしてフックアップしたら浜名湖まで引きずり込む。」ようやく考え がまとまり19日前日夕方から
マリーナに向かい用意を始める。

とりあえずリーダーシステムの変更。ダブルライン2メートル、クランキングリーダー5メートル、
リーダー2,5メートルに変更。
ルアーの選定、明日のポイントの選定をしていると一人のクルーから電話あり、飛んで火に入る夏の虫・・・・。

「へ へへ・・・。明日暇?なわけない?うん。うん。9時なら来れる?もうちょっと早く成んない?・・・うん。うん。解った。じゃあ良いよ。」何とか一人確保。「9時か〜・・・。朝の時会い間に合わんな〜・・・・。
しょうがないか、昼いっぱつ勝負じゃ!」

みんなクルーにゃあ苦労してんだろうなぁ・・・。俺なんかまだ良いほうだ。と納得し明日の段取りを終了する。すでに夜7時を過ぎ、あたりは暗くなっていた。「よし、明日は少
遅いからこのまま飲みに行こ〜と!」本当に闘志が沸いてるの?
8月19日晴れ、雷雨予報あり。
 
朝6時起床。7時30分マリーナ到着。早々他船がカジキ狙いで出港するのを尻
目に準備に取り掛かる。8時準備完了。朝食を取りながら腕時計に目をやると

8時半。

「まだかな〜。」クルーが来ない・・・。9時クルー到着、めでたく出航。
>
今回のクルーはカジキ釣りは初めてのため、注意する事、ヒットした時の段取り、リールの取り扱い説明をする。
ドラグはヒットポイントで7キロに設定。ヒットした
ら9から10キロ位まで締め込むレバーの位置確認。
アフトデッキの片付け段取りも
指示する。
今切れ9時40分通過。水温24,3度。本日のポイント20、25。舵を200〜210に向ける。
10NM位まで沖だししたところでようやく、沖からの船の無線が入る。「今日はどうだろうか・・・。」無線のやり取りに耳を傾ける。あれ〜?どこかで聞いた声・・・・。

O船とA船の無線が聞こえてくる。
 
え〜・・・。今日出船してるの〜?な〜んにも聞いてないし。「糞ハゲ親父。無視
しやがって・・・。」
「土曜日しか出船せん。とか言ってだし抜こうと言う魂胆。ゆるせん!よ〜し、おらが先釣ったるで〜。」
と思いつつ無線に割り込み状況確認。「こちらJQ2−FARビックキャッチ!そちらの状況如何ですか?」
「ああ、遅い出航だねぇ〜。昨日の場所じゃ潮が無いよ。もっと沖だししな。」との返事。
 
南北22分を過ぎたあたりから良い潮が入りだす。10時40分
 
南北21、東西22分。水色良好。水温27,2度。「よっしゃぁ〜。戦闘開始 じゃ〜。」
 
ショート3波〜4波に乗せるように動きの良いルアーを一本。(トップガン中)その後ろにちょっと大きめで大人しいルアーを一本。(ヘッドに黒鳥貝)アウトリガーにそれぞれ一本づつ。(白鳥貝と鮑)合計4本トローリング開始。
 
先ほどのO船とA船はどうやら帰り支度の様子。「おいおい、ちょっと待ってよ。
こちとら今流し始めたとこジャン。ほんとに年寄りは朝早くて、気が短いからショ
ウガナイ・・・。」無線で連絡すると「もうカジキの時会いは過ぎたでぼちぼち帰るで
の〜。」との事。「はいはい。僕らは昼の時会いマデ頑張ります。お気をつけてお帰り下さい。」
前方に潮目発見。鳥もちらほら見え始める。ウン、ウン、良い感じ。
10時の方角でカジキジャンプ!10ノットで少しエリアに走りこみ8ノットに船速ダウン。そのまま潮目に突っ込む。
 
11時ジャスト。ヒット!「え!なんだこりゃ。何処にヒットだ?」アウトリガー が大きくしなってもリリースピンが
外れない。そればかりかショートで引いていた
リールが激しく響きラインが出される。
10秒ほどGOを駆け様子を見る。

ダブルヒットだあ!」3〜400メーター後方でカジキが跳ねる。一回、二回、三回。
その時ショートで引いていたルアーがバチンという音とともにフリーになる。ライ ンブレイク!
すぐさま他のロッドを片付けファイティング準備に取り掛かる。11時15分

400メーターほど出された所でラインの出が遅くなりやっと走りが止まる。様子 をしばらく見極め、ドラグを最初のヒットポイントに戻す。準備完了。
フックアップも完璧。戦闘開始じゃ〜。それでも心配のため僕がアフトデッキに下りてロッドを大きくあおる。よし完璧じゃ。あせらずゆっくりファイトしましょう。
クルーがハーネスを付け戦闘開始。「もうラインブレイクは嫌じゃ〜。ゆっくり寄せて来い。無理はするな。」と指示を出す。
11時30分 200メーター程寄せた所でまた大きくジャンプ、ジャンプ。ラインが大きく出される。奴が右舷前方に走り出したので船を少し走らせアングラーとカジキが直線になるよう調整する。 ラインが出された後は糸ふけの可能性があるので常にリールが巻けるようなら巻いて、ラインに常にテンションが掛かるよう指示を飛ばす。巻いては出され巻いては出されの繰り返し。アングラーは右手を振って疲れを取りまた巻き始める。「頑張っ
てくれよ〜。」11時45分大きな引き込みは無くなったが、今度はロッドからラインが鋭角に海面に突っ込み 始めた。「潜り始めたな〜。奴もなかなか頭が良い。」そして今度はラインのテンションが軽くなる。やばい、突っ込みながらこっちに走ってくる。クルーに「船を走 らせるぞ!」指示を出し50メーター程船を前方にだす。「よしよし、残り100メーター。絶対30メーター以内には寄せんぞ。ファイトから30分、まだ早い。」先週、船べりまで30分で寄せてラインブレイクした事もあり、自分に言い聞かせる。

 12時 奴が潜り、ラインがジッジッと少しずつ出たら船をスローで出し30メーター程
寄せてはまた船を出すのを繰り返し、様子を見る。いよいよカジキの姿が見えてき
た。30メーターほど寄せた所でそれ以上寄せないよう指示を出す。船をデッドスロー
で出し奴の様子を伺う。ラインを出す気配が無い。腕時計に目をやると12時を過ぎ
たとこ。「よし、ランディングするか。」
12時15分クランキングリーダーをセットしていたためアングラーは右舷側にダイレクトにカジキをゆっくり寄せ、
船足を止め、僕はアフトデッキに降りリーダーを掴みギャフ
撃ち。
その間アングラーはロッドをホルダーに置かないよう指示。いつでも走られて
も良い体制で待機。無事ライディング。
12時30分
カジキをアフトデッキまで引き込むのが一苦労。男二人でもちょっと辛い。
船に
部入りきれずテールを出したまま帰路に向かう。二人で船上にて乾杯。
やっと記念
影。二人じゃぁ撮影する暇も無いもの。
 
綺麗なお姉さんでも乗っていればギャフ撃ちの瞬間が撮れたのに・・・・・。
 
ご協力してくださいました僚船の諸先輩方々、ご指導ご鞭撻ありがとうございま
た。次回も遠慮無く釣らして頂きます。
 
2005 8月19日
ビッグキャッチ  キャプテン 牧野哲郎
          クルー     鈴木啓之